鳥籠に押し込まれた友人を思う。

北海道の友人と連絡がつかなくなって早3日。

彼は元気にしているんだろうか。

 

 

と、いうのもその友人、20代前半とかなり若いんだけど、同棲中の彼女のモラハラ気質との付き合い方に悩んで、私と私のパートナーに毎日のように相談の連絡があった。

 

この友人の彼女がまた、

よくキレる。すごくキレる。

刀鍛冶職人が磨き上げた刀より切れ味が鋭い。

物事の規範は全て自分にあると考えているので、

自分の意に反するとメンタルを再起不能になるまで叩き斬る。

 

平日は彼女が帰宅するまでにご飯が無いとキレるし、だからと言って、「ご飯何にする?」などと聞いたら途端に「ご飯のことしか頭に無いのか!」とキレる。

 

家事全般彼にやらせてる間、自分はスマホをいじり、手伝って!と言おうものならキレる。

 

この時点で、

(120歩ぐらい譲って)

専業主夫を強いていたなら多少の理解はできたかもしれない。

のだけど、仕事も、生活費やデート代、その他諸々の工面も強いられ、働けない払えない、となるとしっかりキレる。

 

休日はデートしないとキレ、

夜勤明けだろうがなんだろうが、

当日は起きるのが遅いとキレる。

但し、早く起きてもアラームがうるさいとキレるので、結局のところ準備が早かろうと遅かろうとキレる。

 

コロナ中に彼女のサンドイッチを食べ、

「味がわからない」と言ったらキレ、

「じゃあ自分で作りなよ。」と作らせる。

 

イベント事のプレゼントは

「実用性あるもの貰うと冷める」と言われ

ネックレスを買おうとしたら

オーブンレンジがいい!とごねる。

(※ただ、これはもしかすると、オーブンの実用性が理解できてないだけかもしれない)

 

そんなこんなでオーブンレンジをあげたら

ネックレスももらえばいい!と母親ぐるみでごねはじめる。

 

 

ネタにしたって胸糞悪いが

これがまたネタではない。(残念)

 

 

 

何千kmも離れた土地での遠距離恋愛

お金を貯めて早く同棲するんだ!とキラキラしていた彼を思い出すと切なくなる。

 

 

愛しい彼女に久々に会いにいき、彼女にせがまれてそのまま同棲開始しちゃった!!と言った時も

 

好きで好きで仕方ないんだもんね…と微笑ましい気持ちでほわほわしたのを今でも覚えている。

 

 

 

だってほんの半年弱のことだからね。

 

 

 

 

 

逃げようにも

彼女へのみかじめ料の数々に先立つものも無く、

行き場のない思いを抱え、

やまぬ不満や嫌味の雨を浴び、

言い返すこともせず、ただ耐え忍んでいた。

 

 

逃げたい、死にたいと零すのを聞くたび、

これで引っ越せ!!!と言って大枚を叩けるだけの蓄えがあれば良いのに。と思う。

情けない友人で本当にごめん。

 

 

先日、ついに「引っ越したい」と言っていたので

 

やすい賃貸を探し、

クレジットカードの作り方を話し、

【助けることができなくとも

道筋は明るく照らすことはできるぞ!!】と自分がむしろ励まされていたとき事件は起きた。

 

スマホの検索履歴から賃貸探しがバレ、早朝から叩き起こされたらしい。

 

途中までは鬱々としていた彼の話を聞いていたのだが、何通かやり取りののち、

唐突に連絡は途絶えた。

 

 

私と私のパートナーをブロックし、

以降、音信不通。

LINE以外の連絡先を知らないので

助け方もわからない。

 

 

 

だいたい、何が起きたかはわかる。

 

彼女は彼の外界への逃げ道を遮断して

自分を見つめざるを得ない状況を勝ち得たんだろう。

精神的な依存は、ある種、幸せではあると思うけど、

物理的に離れられないだけの関係性は果たして幸せなんだろうか?

 

 

 

彼女は、また、彼は

今どうしているんだろう。

 

死を選んでなければ、

それだけで今は良い。